禁断の書
ついに読んでしまった。
読んで考えてしまった。
←逃避行 (光文社文庫)
ずいぶん以前から持ってはいたんですが
「人を咬んだゴールデンを連れて主婦が逃げる話」
・・・というところがどうもなんていうか
絶対悲しい結末になって
そんでもって号泣するんだろうなあ
なんて思うとどうしても読めなくて
ずっと本棚で眠ってたんですけどね。
読んじゃいました。

でも予想に反して
そんなセンチメンタルな話ではなく
逆にかなりリアルに迫ってくる小説です。
特に犬を飼っている人には。
あとちなみに
犬は死なないので安心してください。 C=(^◇^ ;
(そこが一番ヒヤヒヤした)
この犬は別に突然咬んじゃったわけじゃなくて
わざわざ塀を乗り越えてきて
棒で叩いたりコショウをかけたりする
隣家の
ついに逆ギレしてしまった、という話なんですけどね。

これは辛いなあ・・・・・・
もちろん犬を飼っている者としては
この主婦の行動に全面的に賛成なんですが。
事の是非はちょっと置いといて、感情的にはね。
でも隣家の住人の立場だったら
やっぱり許せないでしょうしねえ。
いくら自分の子供が悪かったといっても。
それに隣家やマスコミとの対応を
一手に押し付けられてしまった家族も迷惑だろうし。
(でもこの家族がまた最悪なんですけどね)

あと、犬にとって何が幸せなのか?とかね。
家庭犬としてヌクヌクしているよりも
本当は狩りでもしてたほうが楽しいんじゃないか、とか。
それから、犬の「老い」についてだとか。
ここに出てくるゴールデンのポポは9歳なんですけど
かなり老いの兆候が著しい。
モナカは今8歳で、ぜんぜん元気なんですが
もうすぐこんな風になるのかなあ、なんて。
とにかくいろんなことを考えさせられてしまった
そういう小説です。
読後感は決して爽快ではなく
なんつうかもう、誰も幸せじゃないじゃん!
みたいな終わり方なんですけども
ただひとつ言えるのは
読んだあとに
犬を大切にしようっていう気になることです。

すごく細かいゴールデンの描写にも注目。
篠田さんてゴル飼いかなあ?

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| 読書ノオト | 12:35 | comments:24 | trackbacks:0 | TOP↑
気なります、読まなきゃ。
今からダッシュで本屋に行ってきます。
ま、仕事中なんですけどね。
| さや | 2009/06/19 12:58 | URL |