日本のマスコミ取材
地震からちょうど1週間を迎え
ニュージーランド全土で本日12時51分から
2分間の黙祷が捧げられます。
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前回に続き、
Sさんからクライストチャーチの現状について。
今、クライストチャーチでは「助け合い」でなんとか精神がもっています。
助けたくても自分の事が大変で他の人を助けてあげられない人もいます。
(もちろん被害状況によりますよね)
私だって、「みんなどうしてるだろう?」ってもちろん心配で
メールも送ったり、送られて来たり、友達が来てくれたり、
友達の家に会い行ったり。または手伝ったり。
お水もらえたり、充電させてもらったり
「ネットここで使って行き」とか「シャワー浴びてもいいねんで」
とか「なんかあったらいつでも言ってや」って。
そんな中、Sさんのご友人が
日本のマスコミ攻撃にたいへん迷惑しているそうです。
皆さんにも知っていただきたいということで
了承を得てメールをここに公開させていただきます。
(プライバシー保護のため文面を多少変えています。)
今朝***(在京キー局)や他のテレビ局の人が来ました。
詳しくは言えませんが、ここはご遺体が運ばれてくる所だそうです。
ここにはKiwiの友人が住んでいて、彼はあるスペシャリストです。
テレビ局の人には、警察で身元確認の質問ができるかどうか
日本の記者に通訳してくれと頼まれました。
もちろんここは国の特別施設で関係者以外立入り禁止です。
マスコミはここに入りたくてしかたないようです。
僕はここで唯一の日本人で、普通にこの敷地内に入れることを
どこかから知ったようで、毎日いろんな記者から電話がかかってきます。
朝でも夜中でもひっきりなしで
しかも僕の電話番号が街中に出回っている感じです。
もちろん友人たちの番号も出回っていると思います。
今さらながらマスコミの怖さを知った気がします。
僕も、家が潰れてヤバイ状況です。
いつ仕事を再開できるかもわかりません。
こんな時に電話番号がじゃんじゃん出回って
周りの友人たちにも迷惑をかけたんじゃないかと思います。
僕もみんなの番号を絶対に教えないので
みんなも僕の電話番号を知らせないでください。
それと記者さん、非通知やめてください!!
彼は人脈も広く、地元のKiwiたちからの信頼も厚いため
立ち入り禁止区域や避難勧告の出ている地域にも
入る許可を得ているのだそうです。
そのため、自分の家も失い、仕事もどうなるかわからない状況の中
地震発生以来ずっと、現地の警察への通訳を懸命に努めていたとのこと。
でもあまりのマスコミ攻勢にうんざりして
日本に帰国することに決めたそうです。
別の日のメール。
知り合いが行方不明になってるので
今日は現地に行ってきました。
レスキュー隊の人と話したら、日本人の誰が行方不明になってるのか
誰も知らなかったのでびっくりしました。
知り合いが数名いるので、明日リストをもっていこうと思います。
みんなが助かってるのを祈りたい。
できることを少しでもと思って行動してます。
マスコミの過激な報道に納得いかない中
ぜひ「現地の声」を聞いてほしいということで
ここに掲載させていただきました。
どうもありがとうございます。
他にも同様のことは
たぶんいろんなところで起きていると思います。
海外で事件や事故、災害などが起った時
現地入りしたテレビや新聞の報道のおかげで
より深く正確に理解できることはよくわかっています。
真摯に取材をなさっている記者さんも
もちろんたくさんいらっしゃることでしょう。
でも精神的にも肉体的にも疲れ果てて
それでも「なにか他の人のためにできることを!」
・・・と立ちあがっている人たちに対して
もう少し配慮があるべきだと、わたしは思います。

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| NZ生活 | 09:18 | comments:61 | trackbacks:0 | TOP↑
No title
イロンナ事件や事故、災害があった時
その状況を伝える、そのこと自体は必要なことなんだろうと思います。
しかし、執拗なまでの被害者、被害者の家族への取材。
ただ悲しむことさえも出来ないのかと思います。
被害者はこんな人だった、あんな人だった。
被害者にはプライバシーも無いのか・・・
今回ニュージーランド当局は、
『遺体にもプライバシーがあるのでしっかり確認が取れなければ対面させられない』
それが本来のあるべき姿だと思いました。
自分だったらそうして欲しいし。
伝えることは必要です。
だけどそれには常に伝えられる側があると言うことを
そんな当たり前のことに思いを馳せながら
取材して欲しいですね。
| よぴお | 2011/03/01 07:38 | URL |