5年経ちました
子宮頸がんを患っていたという会見をされた
タレントの原千晶さんのブログに
そのことについて少し詳しく書かれてありました。
(記事は→コチラ)
わたしも彼女と同じく
2005年の11月に子宮頸がんの手術を受けて
先日ちょうど5年めの検診を終えたところ。
幸いわたしは1Bという初期のステージだったので
原さんとはちがって外科的な治療だけで済みました。
それでもずいぶん不安で大変だったので
辛い治療を続けてこられた原さんが
5年後の今ようやく公表する気持ちになったのは
うまく言えないけど、とても共感できます。

初公開!きなこ@手術翌日
がんというのはいちおう
5年たつと「ひと安心」と言われていて
今までずっとお世話になってきたクリニックからも
この度の検診をもってひとまず卒業です。
特にわたしは引越しを控えているので
今後どこに行っても治療が継続できるよう
手術前の検診から今日にいたる5年分の
分厚いレポートをもらってきました。
これがなんとなく
卒業証書みたいな感じ。
単なる医療の記録ですから
ただ事務的に淡々と記述してあるだけなのですが
帰り道にこのレポートを読みながら歩いていたら
その記述ひとつひとつに今までの5年間が思い出されて
不覚にもウルウルきてしまいました。
「がんが見つかった」と言われた時のこと。
「子宮全摘の手術が必要」と言われた時のこと。
後遺症のリスクについて説明された時のこと。
手術後、感染症で高熱が続いて再入院した時のこと。
・・・ああ、こういうことを
全部乗り越えて来たんだなあと思うと感慨無量。
オットは術後すぐに長期出張で
こんな時一番頼りにしたかった母は
ちょうどその頃、やはりがんを患い
余命半年という宣告を受けていました。
わたしの人生で
こんなにも心細かったことはありません。
そして、健康な人々が
こんなにもうらやましかったこともありません。
街ですれちがう人たち
その1人1人が
うらやましくて仕方なかった。
お金がないとか太ってるとか
モテないとか仕事がイヤとか
命を脅かされる恐怖に比べれば
そんなの悩みでも何でもないと思いました。
それなのに
すっかり元気になった今となっては
そんな風に思ったことすら忘れてたなあと
つくづく反省するのでした。

普段は明るい色の花が好きなんですが、パワーが強烈すぎてダメでした。
弱ってる時はこういうやわらかい色のお花がありがたかったです。
レポートを読んで感じたのはもうひとつ。
たくさんの人たちが
わたしのために手を尽くしてくれたんだなあということ。
手術に備えてミーティングをした
ドクターの名前がズラッと並んでいたり
組織検査したラボの担当者などの名前を見ると
直接会ったこともないたくさんの人たちの
お世話になったんだなあということを感じます。
そのほかにも
入院中にお世話になった看護師さんたち
お茶やお食事を運んできてくれた方々
5年間ずっと温かく迎えてくれた受付の女性
・・・たくさんの人たちが
英語もおぼつかない外国人であるわたしのために
時間と技術を使ってくれたのだと
本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。
ひとり外国で手術を受けることになり
しかもがんという病気の恐怖に
押しつぶされそうになっていた時に
こうして関わってくださった方々
1人1人のちょっとした言葉や笑顔に
どれほど救われたかわかりません。
道ですれちがったり
バス停でたまたま隣り合わせた人と
何気なく交わした一言に
力づけられたこともたくさんあります。
なので普段なら
「5年間がんばった、あたし!」
・・・と威張るところですが
今回ばかりは自分ではなく
周りのすべての方々に感謝したい。
そんな風に思わせてくれる
ニュージーランドという国にも感謝したいです。

でも一番癒されたのはやっぱりモナカの笑顔。
わたしは「つれモナ」を楽しいブログにしたいので
正直言って病気のことは、あまり書きたくありません。
でも自分ががんだとわかった時
原さんみたいに同じ病気を経験した有名人が
元気に活躍している姿を拝見すると
「じゃあきっとあたしも大丈夫だな」
・・・って思えて前向きな気持ちになれました。
なので、もしかするとどこかで
5年前のわたしと同じように不安な気持ちのまま
このブログを読んでくださっている方が
いらっしゃるかもしれないので
思い切って書いてみました。
5年経っても、あたしはこんなに元気です。
だからあなたも、きっとね。
きっと大丈夫。
