コーヒーで物価を知る
「願わくば一緒に飲んでみたい女性BEST3」
のひとり、角田光代さんの本をご紹介します。
ちなみにあと2人というのは
山田詠美姐とサイバラ師匠です。
山田詠美さんも角田光代さんも、
実は小説のほうはちょっとわたし好みではないんですけど(失礼)
どちらもエッセイがめちゃめちゃ好き。
特に角田さんは年齢が近いこともあって
なんとなく似てるとこがあるなぁと思っていたんですが。
しあわせのねだん (新潮文庫)
このエッセイ集はもう
「そうそう!」と頷くことばかり。
たとえばですね。
「蟹コース 5820円」 という章では
(この本はみんなこういうモノの値段がタイトルです)
「ごはん食べにいきましょう」と「酒を飲みましょう」は
別の意味だったんだ! ということがようやくわかった
ということが書いてあるんですけどね
まさにわたしもそうなんですよ。
夜ご飯を食べに行く=酒を飲む
・・・だと思って楽しみにしてたのに
なんかやたら食事ばっかりさせられるなぁ
ということ、ないですか?
ないですか、そうですか。
あたしはよくあります。 (* ̄∇ ̄*)

あとですね。
ほんとに偶然なんですけど
角田さんが取材でNZにいらした時のことが書いてあって
その時コーヒーがだいたい2.8NZドルだったと。
まあホントにそんなもんです。
で、角田さんはそのコーヒーの値段を基準にして
出会うモノの値段が高いか安いかを判断していくんですけど
これはあたしも海外に出るとまったく同じことをするし
NZに来る観光客のみなさんにもそうやってご案内します。
たとえばコーヒー1杯2.8NZドルは
1ドル=65円と計算して182円。
ちゃんとカフェで座って飲む値段です。
ホテルのラウンジで頼むコーヒーだって
せいぜい5ドル(325円)ぐらい。
そう聞くと「やす~い!!」と言う方が多いんですが
ニュージーランドで収入を得ているわたしたちにとっては
決して安いわけではない。(別に高くもありませんが)

旅番組なんかを見ていても
生活費や日用品をいちいち日本円に換算して
「やす~い!!」と騒ぐタレントさんがいますが
ああいうのはちょっと品がないなあと思うのです。
何でも日本円に換算するなんて無意味だし
そんなことよりも、その人たちの賃金に対して
それがどのぐらいを占めるのか、ということが重要。
ただしちょっと旅行したぐらいでは賃金なんかわかりませんから
みんなが気軽に入るコーヒーショップなんかの値段が
ちょうどいい目安になるとわたしも思います。
なので、この章を読んで
「ああ、角田さんてまっとうな人だなあ・・・」と
あらためてうれしくなったという次第。
しかもオークランドならではの
ディープなアジア料理店街に足繁く通って
「東京はおろか、本場でもかなり運がよくないと
これほどの味には遭遇できない」
・・・とまでホメていただけたのは、まことにうれしいです。
ほんとおいしいんですよ、オークランドのアジア料理は。
しかも安い。(ニュージーランド人にとっても)

自分の住んでる国のことを書かれるのは
いつもちょっとドキドキするんですけれど
この章はキチンとNZの本質を評価してあって
これはなかなかめずらしいんじゃないかと思います。
あとね。
お母さんと温泉旅行に行った話も秀逸。
泣けます。
ほんといいエッセイ。
おすすめ度★★★★★
ありとあらゆる花が開花中。

あわせて読みたい
| 読書ノオト | 15:12 | comments:15 | trackbacks:0 | TOP↑
いつも楽しく拝見しています。
胃の痛みは大丈夫ですか?
生まれてこのかた胃薬飲んだことない私には「胃の痛み」がよくわかりませんが、
食べられない辛さはわかるような??
角田光代さん、私も好きですね。
小さなコラムに書かれているのでも、
やっぱり同年代だからか、共感できる部分が多いですね。
あと、こちらも読まれているかもしれないけれど、
ちょびっとだけ年上で、
群ようこさんもオススメですけどね。
少し辛口かな?
| のん | 2009/09/21 12:47 | URL |